60年代イギリス

J・G・バラード『結晶世界』(創元SF文庫)

一冊読み終えるのに一週間くらいかかってしまった。もはや遅読病だ。別に速読の必要なんて感じないけど、せめて文庫本なら二、三日で読み終えたい。と、思ってみた。 バラードの小説風土を襲う「破滅」の様々なタイプは多岐に渡るけど、この作品では、タイト…

J・G・バラード『溺れた巨人』(創元SF文庫)

バラードの小説を読むのはこれで2作目(ちょっと前に『夢幻会社』を読んだ)。この短篇集に収められている9つのどの作品も、規模の大小、事態の進捗程度の差はあっても、多かれ少なかれ、もはや破滅してしまった世界といったものが舞台になっている。身も蓋…