2 many dj's as heard on radio soulwax pt.1

as heard on radio soulwax pt.1この前聴いたCDが面白かったんで続けて2 many dj'sのブツを購入してみた。ビリージーンのオープニングのベースにビーチ・ボーイズのアカペラがかぶさったり、T99のアナスタシアのフレーズのくだりだったり、随所に挟まるずっこけそうなブリッジが脱力的な笑いを誘って、カッコイイ一辺倒じゃないところが良いと思う。アクセントで導入されているヴォコーダースピーチの処理の脱臼したようながちゃがちゃっとした込み入った手並みはサイ・ベグの仕事を思い出させたりもする。Dj Koolの"Let Me Clear My Throat"のミックスのあたりなんかはめちゃめちゃカッコイイ。
 ラジオのチャンネルをばんばんチューニングして脊髄反射的にアンテナにひっかかった音源を次々に繋げていく、みたいなふてぶてしい雑駁さ、雑食ぶりがとても面白い。この二人はたぶん運動神経がいいんだと思う。
 選曲の出鱈目っぷり、無軌道ぶりは、まさにそれに今同調して踊っている人の身体と意識に対して、継ぎ目に蹴っつまづくみたいな効果を絶え間なく与えるだろう。音楽の打ち寄せる波際みたいな場所で快適に同期して進行していた聴く人の身体は、その都度、小石に足をひっかけるとうにして体勢を崩しかけては、再び、何度でも音楽に乗っかっていく。その繰り返しだ。音はちょっとだけ、いつでも、それを聴く人に対して先行している。ダンスに乗り損ねた快活で愉快な失策が、ここには照れ笑いの数だけある。