漫画

こうの史代『この世界の片隅に』

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/01/12メディア: コミック購入: 23人 クリック: 507回この商品を含むブログ (327件) を見る こうの史代の新作に収められた各エピソードはおもに第二次大戦の…

こうの史代『街角花だより』

街角花だより (アクションコミックス)作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2007/03/12メディア: コミック購入: 5人 クリック: 36回この商品を含むブログ (82件) を見る 単行本の初出一覧の記述を信用するなら、表題作である「街角花だより」とい…

杉浦茂『円盤Z』

円盤Z (河出文庫)作者: 杉浦茂出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2003/06/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (4件) を見る 毎月何冊かずつ、ちょこちょこと杉浦茂の漫画を買うのを日々の楽しみにしているのだけれど、(最初…

松本大洋/永福一成『竹光侍』(1)

竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)作者: 松本大洋,永福一成出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/12/01メディア: コミック購入: 4人 クリック: 75回この商品を含むブログ (107件) を見る amazonにオススメられて『竹光侍』を購入。松本大洋の漫画は『ピ…

杉浦茂『怪星ガイガー・八百八狸』

杉浦茂傑作選集 怪星ガイガー・八百八狸作者: 杉浦茂出版社/メーカー: 青林工藝舎発売日: 2006/11/22メディア: 単行本 クリック: 30回この商品を含むブログ (28件) を見る 杉浦茂のマンガを初めてじっくりと読んだ。購入も初めて。五五年に「漫画王」、「少…

こうの史代『さんさん録』

さんさん録 (1) (ACTION COMICS)作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2006/03/11メディア: コミック購入: 10人 クリック: 50回この商品を含むブログ (173件) を見る こうの史代の『さんさん録』という漫画は、一種の幽霊譚として読むことが出来…

三浦建太郎『ベルセルク』(追記)

(昨日のエントリーの続き、というか、別の視点からの補足)。 『ベルセルク』というアクション漫画が、昨日書いたような事柄すべてを覆して、それでもなおアクション漫画足りえている(読み手の意識に対して見逃しがたい動感をもたらしている)点があるとする…

三浦建太郎『ベルセルク』

ベルセルク (31) (Jets comics (267))作者: 三浦建太郎出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2006/09/29メディア: コミック クリック: 16回この商品を含むブログ (122件) を見る(以下は、『ベルセルク』の物語の内容とはほとんど関係のないはなしです)。 ひと月…

こうの史代『長い道』

長い道 (Action comics)作者: こうの史代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2005/07/28メディア: コミック購入: 4人 クリック: 81回この商品を含むブログ (228件) を見る 雑誌連載だったらしいこうの史代の『長い道』という作品は1話につき3、4ページから成る…

高野文子「奥村さんのお茄子」(高野文子『棒がいっぽん』所収)

棒がいっぽん (Mag comics)作者: 高野文子出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 1995/07/01メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 147回この商品を含むブログ (160件) を見る 「かわいいコックさん」の絵描き唄は、高野文子の「奥村さんのお茄子」という…

高野文子「田辺のつる」(高野文子『絶対安全剃刀』所収)

たとえば、こうの史代の「夕凪の街」という作品の最後の数ページは、病床に臥せった主人公(皆実)の視点から見られた光景やお見舞いに訪れる人たちの顔が徐々に(しかし、急速に)彼女の視界から奪われていき、遂にもはや何も見ることの出来なくなってしま…

高野文子『絶対安全剃刀』(白泉社)

この作品集のいちばん最後に収録されている「玄関」という短篇は、それを目にして、ああ高野文子のマンガだなあ、という感慨を抱くより仕方がないような仕上がりを示してみせてくれる。 作品の流れの中では最後に据えられている母と娘(「えみこ」)二人の後…

マンガ的経験の質

高野文子の『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』というとてもウェルメイドな作品は、しかし「ウェルメイド」という言葉が通常まといがちな安易さであったり退屈さの印象なんかとは程遠いマンガ的感触を読む者に与える。 物語の内容としては一人の女の子のシ…

見てはいけない,見られてはいけない

池袋ジュンク堂でぶらぶらしていたら花輪和一の『刑務所の中』の文庫版(講談社漫画文庫)を見つけた。前に手元にあった単行本のほうは既に失くしてしまっており、帯のコピーを確認してみたら新たに何本か書き下ろしも収録されているみたいなんで、良い機会…